作詞/作曲 因幡修次
夜空がきれいに輝くのは
美しい命が星になったからさ
水平線があんなにまっすぐなのは
一直線な命が海になったからさ
故郷なくした人達がいる
負の遺産を背負って生きる子供達がいる
寒い寒い冬を勇ましく乗り越えて
今朝ふきのとうが芽を出したよ
一生分の絶望を神様は
どんな顔して見ていたのかな
信じていたからこそ裏切られた
神様なんてどこにもいないのかな
思い出なくした人達がいる
子供達の未来を蔑ろにする大人達がいる
寒い寒い冬を凛々しく乗り越えて
今朝ふきのとうが芽を出したよ
- (愛する人よ今あなたは どんな景色を眺めていますか? いなくなったあなたのことを偲んで泣いてるいわたし達は あなたの瞳にどう写っていますか? 毎日の営みも 楽しかった日常も 好きだった人も 仲良し家族も みんなみんな失った大地から 小っちゃい小っちゃい芽を出したよ 一生懸命小さな力で 芽を出しました)
幾度となく立ち上がってきた祖国の歴史がある
寒い寒い冬を勇ましく乗り越えて
今朝ふきのとうが芽を出したよ
寒い寒い日本をたくましく乗り越えて
今朝ふきのとうが芽を出しました
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2011年3月11日14時46分。
あの日。
電話もつながりにくく、メールのやりとりもままならず、
かろうじて繋がるネットでの情報交換で、
安否確認をとりあった人、心を支えあった人もたくさんおられた。
部屋をあけていた因幡さんのライブ部屋で励まされながら、
一人余震の恐怖に耐えていた人もいた。
あの日、祈りながら歌われた『ひまわり』から、今まで。
もう2年、まだ2年、やっと2年、2年も経って。
色んな言葉を前後につけたくなる2年。
辛いニュース、はがゆいニュース、怒りを覚えるニュースにかこまれ続けた2年。
日本人の強さと素晴らしさを感じた2年。悲しい部分も見えすぎた2年。
世界の方々の優しい思いも感じた2年。
この2年の間、因幡さんとお仲間のネットシンガーさん方には、色んな歌が生まれた。
そして色んな出会いもあった。
人の心を癒し少しでも元気が出ることを願いを込めた歌、
やりきれないやりばのない怒りをぶつけまくった歌。
思いに共感してカバーされる方々。
お歌とライブに元気をもらったとメッセージをくれる方々。
そして、お部屋をひらいては、被災地で頑張っておられる方々に心を寄せながら、
ネットで繋がった色んな人と笑ったり、泣いたり、思いのたけをマシンガントークしたり、
そして思いのつまった歌を歌い、聞き、明日へつながる元気を共有してきたこの2年。
この『啓蟄(けいちつ)の時~3月11日に天国へぶっ放せ!~』は、
昨年の3月11日に寄せて、因幡さんが作られたお歌。
3012年3月11日にひらかれたライブの音源と、
『いのちのはからい』のきっかけになったNさんに書き下ろしてもらったイラストで作られている。
セリフ部分は、ある夜のライブの時にほぼアドリブで付け加えられた、心からあふれ落ちた言葉
"啓蟄"は、春がきたんだ~と感じた草木が芽を出し、
冬眠していた虫や動物が起き出して来る日。
"3月11日に天国へぶっ放せ!"は、『命を使え!』で紹介させてもらったスコップ団が
2012年3月10日に活動に一区切りをつける際にあげた、天国への2万発の花火にちなんでいる。
今年の3月11日は、また冬並みの寒さがぶり返す一日となった。
でも暖かい春を予感させる日差し。春はもうすぐそばにきている。
来年の3月11日は、どんな一日だろう。
怒りもいらだちも感じることのない、被災地に本当の春が来たと感じられている
そんな一日であって欲しい。
『極悪宗教東京電力』や『ゴーストメルトタウン』、『夢は夜ひらく ~3.11編~』が記憶のかなたへ消えさり、
『啓蟄の時』や『めも』が思い出として歌われるような、そんな日が早く来て欲しい
被害にあわれた方々、復興に向けて戦っておられる方々の、この2年間に思いながら、
元気と癒しのときをもらった、数々のお歌を聞きながら、
今日という日を過ごしたい。