因幡修次という名の妖怪の音楽~Music of the monster named Shuji Inaba~

2013/08/15

『乙女の真実』

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作詞/作曲 因幡修次

黒い花が咲いている 
見渡す限りの黒い花だ
人は人の形をした人なのか 
事実は無力なのだ
ボロボロの純粋だ 
美しかった花びらだ
一片ずつみんな死んでいくのだ
一片ずつみんな死んでいくのだ
死ぬことが掟なのか 
散ることが運命なのか
無言の真実だけが 
トメさんを透明に映し出すのだ

白い花が咲いている 
正義を見据えたままで咲いている
無念まみれが生きづいている 
それは残酷な勇敢だ
とてつもない無邪気だ 
生きることへの執着だ
もがくこともなく遊ぶのだ 
もがくこともなく遊ぶのだ
現実は怨めし気に 
ただただ立ち尽くすだけなのか
理由もなく憤りだけが 
トメさんをいつまでも泣かせているのだ

黒い花は笑っている 
最後の砦は誇らしくもある
泣きながら我武者羅に笑っている 
無実は無残だ
儚きは待つ身の驕りか 
美しすぎる死様か
色合いを持たずに息づいているのだ 
色合いも持たずに息づいているのだ
生きて還えった後悔は 
許されない罪なのか
哀しい肉片だけが 
トメさんの亡骸に宿っているのだ

白い花が息絶えて 
残酷が道連れを背負っている
見果てぬ未来を殺すのか 
未来を無謀に亡くすのか
限りない恐怖との争いか 
限りある己との戦いか
醜い日の丸を眺めているのだ 
醜い日の丸を眺めているのだ
両手でそれを引き裂きながら 
母を思う気持ちの内実は
やがて余生の球根と成り 
トメさんはしたたかに咲いているのだ
トメさんは美しく生きているのだ



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因幡さんのたくさんの作品のテーマのひとつに、
原爆・戦争への怒り、平和・反戦への願いがある。
アルバムに収録されている『余韻の残像 [Afterimage Of An Echo] - Hiroshima 』『ウラニウム235』をはじめ、
伯父さんへ捧げた『兄ハ笑ッテ死ヌ』など、今の若い方たちに是非聞いていただきたいと思う作品も多い。


"知覧特攻の母"と呼ばれた鳥濱(とりはま)トメさんに捧げた、『乙女の真実』は
、盟友であるapitaさんのブログ記事を読まれた因幡さんが感銘を受け、一気に一日で産み落とした作品。

『教訓 Ⅳ』,『ほたる~on the road』と同じように、ある意味お二人の○体関係の作品だと思っている。

残された愛する人たちのために旅立った方々、
心とはうらはらに笑顔で見送った方々
言葉に出来ない辛い経験を抱えて、それでも帰ってきてくれた方々
生まれた地に帰ってこれず、まだ異国の地で眠っておられる方々

そして、毎日の営みの地で、亡くなっていかれた広島、長崎、沖縄の方々。


今日という日、色んな方々に思いを寄せながら、感謝しながら。
リンクをたどって歌詞を改めて読んで欲しい。お歌を聞いて欲しい。


     『余韻の残像 [Afterimage Of An Echo] - Hiroshima 』 Youtube 歌詞
     『ウラニウム235』   Youtube  歌詞
     『兄ハ笑ッテ死ヌ』  Youtube 歌詞
     『教訓 Ⅳ』      (作詞:apita 作曲:因幡修次) Youtube 歌詞
     『ほたる~on the road』 (作詞:apita 作曲:因幡修次) Stickam(歌:因幡さん apitaさん) 歌詞